京都の伝統産業:五条坂の陶器市
京都の伝統産業:五条坂の陶器市
京都の伝統産業の一つに、清水焼があるのは皆さんご存じかと思いますが、私は、それが京都のどの地方で始まったのかを知りませんでした。京都と言えば、もう5回以上は訪れていたのですが、特に陶器に関心がなかったせいかもしれませんし、その陶器市が真夏の8月上旬だったことから、時期を逃していたのかもしれません。
さて、清水焼の発祥の地は五条坂だったのですが、ここは、清水寺を東に見ながら、西には加茂川の水が流れる山あいで、その発祥以来、現在も陶芸作家や窒元、卸問屋、小売店が並んでいます。清水焼の陶器がこの道すがらにたくさんならんでいるのですが、はるか向こうの清水寺に気を取られていた若き日々を思い出し、残念になるほどです。
この五条坂の陶器祭りは、大正9年から始まっていると言いますが、最近は規模も人手もわが国では最大と言われるほどになりました。五条坂の道に並ぶ出店は約500店舗にも及び、特に掘り出し物を探す人々が全国から集まり、そのにぎわいは伝統産業の力強さを感じるものとなったのです。
しかも、この五条坂の陶器市が、夏の盆の時期に行われるにはゆえんがありました。「六道珍皇寺」というお寺に、精霊さんを迎えに行く人々や大谷本廟(西大谷)へお盆の墓参りに行く人々が五条坂を通っていたからなのです。その際、一級品にはなれない作品を売り出すことで、この陶器市が始まったのですが、現在は、陶芸を目指す若者の作品も多数展示されるようになりました。これは、清水焼が若い世代に引き継がれる伝統産業になったと言えるのではないでしょうか?